ハローウィーンアレンジのレッスンもおわり,市場のチューリップやアネモネたちを迎え,クリスマスデザインに悩んでいたとき,秋のイベントで作品を飾らないかとお話を頂きました。有名な書道家も「月」という素晴らしい書を展示なさるとのことで,是非ともやらせていただきたいとすぐにお返事しました。とはいうものの,屋外でどれくらいのものを作ったらよいのかわかりません。現場を見に行かせていただいたところ,入口左側の丸太の上に「月」を作ろうとすぐに決まったのです。
教室に帰り,デッサンにかかります。円形の発泡スチロールに十八番のシサルリーフをつけて三日月を作ろうと思い,デザイン画を主催者に見せると「素敵ですね」と言っていただきましたがこれではまずいと思ったのです。私もプロの端くれとしてコメントが何を表すかはわかります。。。。(苦笑)
もっと自然感を,素朴なエネルギーを表現したいと,ふと木の皮でベースを作ろうと皮を薄く剥がして貼り付けました。それは,現場の片隅に積んである木の皮の山を見て「こちらを一枚頂いてもいいですか?」と何気なくいただいてきたものでした。
屋外での作品は,スケールがどうしても小さく見えがちです。だから,スケールそのものではなくて,第一に入り口で目立つこと,第二にそばでみると凝っているように見えることを大切にしました。月を二つ作り,それぞれの円周を異なる花材で三日月風に囲むことにしました。花材はすべてそこにあるものを使用するつもりだったので,グリーンの種類には事欠きません。けれども,どうやって発泡スチロールを立てましょう。。円形発泡スチロールを立てるために重みのあるスタンドが必要でした。
主催の方が丸太を使ってスタンドを作ってくれるというのでサイズを送りました。
台座をつけた2本の丸太がスタンドとなり手元にきました。はめてみるとぴったりです。よし!これはいける!是非ともご期待に添いたいと思いました。他者の協力は私をパワーアップさせます。。。。
完成まで2部程度を残して現場に持っていきます。仕上げは現場で行います。
現場はすでに周囲の草も刈られてきれいに整理されており,主催者側の優しさを改めて感じました。犬蓼を摘んでガラスチューブにさし,主催者からいただいた麦の穂を加え,柿や烏瓜をもいで加えます。花材の宝庫で幸せを感じていました。
夕方からのバンドライブのお手伝いさせていただきました。というのも,昨年,JUNE FLORALに協力してくれたバンドのボディフラワーを作ったのです。ボーカルの方は,フラワーの見せ方がお上手でグリーンのトレーンを自由自在に動かしながら歌ってくださり,デザインの特徴を見せていました。
アシスタントのいない現場で作成していると,早めに来た子供たちが「わあ~すごい!」と驚きながら通りますし,「なにこれ?」と言って木の皮を指さしたり,ボランティアの人たちも声をかけてくれます。教室でのボディフラワー作成時にもモデルさんが陣中見舞いに来てくださりましたし,ほんわかと温かい気持ちの中で作成しました。フラワーデザイナー共同体のようなテクニックの切磋琢磨はありませんが,様々な職種,様々な年齢の人たちの集まりの中で,地球の温かさに気づきます。また,芸術は全てつながっているので書や歌からも学べます。特に,地球から学びました。これが,WFCが提唱し,JUNE FLORALが育んできた「花を通じて平和」ではないか,真実のPeace through Flowersに出会えたような気がします。
この場を借りて天国に一言
―Dean, we can find it everywhere. WFC can be everywhere.
―My sweetheart, thank you for your support. Appreciated you have been watching my arranging flowers.